事務作業を効率化する方法7選!役立つツールも紹介
現代のビジネス環境において、企業内での事務作業の効率化は不可欠です。
事務作業には、一般事務から営業事務、経理事務といった様々な種類があります。これらは、自動化ツールの導入やアウトソーシングを利用することで、効率化が可能です。
この記事では、事務作業の効率化に効果的な方法と役立つツールを紹介します。
事務作業とは
事務作業とは、企業内で行われる一般的なオフィス業務全般を指します。これには様々な業種や職種でのルーティンワークやサポート業務が含まれます。主な仕事内容は以下の通りです。
【主な仕事内容】
一般事務
●書類整理
●文書作成
●データ入力作業
●電話対応
●顧客対応
●会議やイベントのスケジュール管理
●備品管理
一般事務の仕事は、様々な部署にまたがる多岐にわたる事務作業であり、企業のスムーズな運営に必要なものです。コンピュータスキルやコミュニケーションスキルが求められます。
営業事務
●見積書や請求書の作成
●顧客データの管理
●注文処理、入力作業
●営業報告の作成
●資料準備など営業サポート
●契約書の管理
●顧客や取引先からのメールや電話対応
営業事務は、営業活動をスムーズに進行させ、クライアントや取引先との円滑なコミュニケーションを確保するために重要です。
経理事務
●帳簿管理
●請求書処理
●支払い処理
●経費精算
●銀行取引管理
●資産管理
●月次・年次決算
経理事務の仕事内容は、企業の財務健全性や法令順守のために重要です。正確で効率的な経理業務は、経営の信頼性・透明性につながります。
人事・労務事務
●採用業務
●勤怠管理
●給与計算サポート
●社会保険手続き
●労働法務サポート
●従業員の福祉管理
人事・労務事務では、企業の人事管理と労務管理に関連するサポート業務が中心となります。人事・労務事務は、従業員の働きやすさや法令順守につながります。社会保険労務士の資格があると活躍しやすいでしょう。
総務事務
●オフィス内の施設や備品の管理
●受付業務
●郵便物対応
●社内イベントの企画と実施
●社内ルールや連絡の周知
●情報管理とセキュリティ
●従業員サポート
総務事務は、社内の一般的な業務サポートといった広い範囲にわたります。企業全体の円滑な運営に役立ちます。
法務事務
●法的文書の作成と整理
●法的調査と資料収集
●契約履行と法的権利の確認
●知的財産の管理
●法的事務手続きの補助
●契約交渉のサポート
法務事務は、企業の法務部や法律事務所にて、法務部門がスムーズに機能し、法的なリスクを最小限に抑えるために重要です。
事務作業を効率化するメリット
ルーティンワークの多い事務作業は、デジタルツールで効率化しやすいです。事務作業の効率を上げると、次のような4つのメリットがあります。
【人手不足の解消】
事務作業の効率化で、少ない人員でより多くの業務を処理できるようになります。
少子高齢化に伴う労働力不足の状況下でも、効率化により採用の必要性や過重労働の問題を解消できるでしょう。
自動化により繰り返しのルーティンワークが減ると、従業員は他のより高度な業務に集中できます。これは、ワークライフバランスの向上や利益アップにつながります。
【従業員の離職を防げる】
効率的なシステムやプロセスにより、業務がスムーズに進行すると、業務に対する負担が軽くなり、従業員のストレスが軽減されます。
残業の減少により、ワークライフバランスが改善されるなどの効果が見込めるでしょう。すると、メンタルヘルスが向上し、離職の要因となるリスクが減少します。
また、効率化により、従業員がより戦略的な業務やプロジェクトに参加する機会が増えます。重要で挑戦的な仕事に携わることで、従業員は自身のキャリアにおいて成長を感じ、企業に長期間留まりたいと考える可能性が高まります。
【ケアレスミスを減らせる】
自動化されたプロセスは一貫性があり、操作ミスや確認忘れといった人為的なミスを最小限に抑えます。これにより、作業の正確性が向上し、再作業や修正作業が減少します。
また、ツールの使用によりミスを発見しやすくなるメリットもあります。余計な作業時間が減り、結果として仕事の質向上にもつながるでしょう。
【生産性の向上による利益の増加】
効率化により生産性が向上すると、従業員はルーチン作業から解放され、より高度な業務やクリエイティブな作業に専念できるようになります。
これにより、新たなチャレンジに取り組みやすくなります。従業員のスキルを最適に活用でき、売上の増加に直結する結果が出やすくなるでしょう。
さらに、生産性の向上は顧客サービスのスピードと正確性を高める効果もあります。これが顧客満足度の向上に繋がり、結果としてリピーターや新規顧客の獲得につながります。
事務作業を効率化する方法
事務作業を効率化するためには、次の7つの方法が特に有効です。それぞれについて詳しく説明します。
【業務マニュアルを作成する】
事務作業の手順を文書化してまとめることで、業務プロセスが統一され、進め方が明確になります。これにより混乱や誤解を防ぎ、スムーズな業務完了に役立ちます。
業務マニュアルの作成は、まず現在の作業プロセスを詳細に分析、フローチャートやプロセスマップを作って現行の業務プロセスを可視化してから行います。
マニュアルでは、用語や略語を統一し、理解しやすい表現を用います。必要に応じてスクリーンショットやイラストを挿入すると、よりわかりやすくなるでしょう。
【ショートカットキーを活用する】
パソコンのショートカットキーを覚え、活用することで、キーボードのみで効率的に作業を進めることができます。特に、大量のテキストやデータを扱う際にショートカットキーは大いに役立ちます。
事務作業でよく使われるショートカットキーは、コピー、ペースト、切り取り、保存などです。
この他、ウィンドウの操作、ウェブブラウジング、メールの操作、表計算ソフトのショートカットキーも作業効率の向上に役立つでしょう。
【アウトソーシングを利用する】
事務作業は、外部の専門業者に委託することも可能です。アウトソーシングにより、社内プロジェクトの進捗が向上し、コアビジネスへの集中が可能になります。
これにより、効率化やコスト削減になる場合もあります。
アウトソーシングでは、適切なパートナー選びが重要です。品質・信頼性・セキュリティなどを考慮し、適切なパートナーを選定しましょう。
【メールの確認時間を決める】
メールの受信に即座に対応していると、そのたびに作業が中断され、業務の滞りやストレスの原因となります。
そこで、メールの確認時間を固定することで、事務業務との切り替えが効率的に行え、タスクの切り替えにかかる時間が減ります。これにより、業務全体の流れがスムーズになるでしょう。
また、一括で処理することで、同じ種類の問い合わせなどに一度に返信できるため、より効率的な処理が可能になります。
【周囲と協力する】
事務作業の効率化において、周囲との協力は業務プロセス全体の改善や円滑な運用に大きく寄与します。
協力体制を築くことで、部門間やチーム内の情報共有がスムーズになり、業務の理解が深まり、連携が強化されます。
苦手な分野は他の人に任せるなど、周囲と協力して業務を分担・改善することで、無駄な作業や遅延が減少し、スキルやノウハウの共有にもつながります。
【不必要な作業を洗い出し削減する】
改めて確認すると、必要のない作業が意外と見つかることがあります。例えば、紙ベースのやり取りが多いこと、過剰な報告書の作成、手動での処理や承認が多いなどです。
不要な作業を明確にし、削減することで、時間の節約が可能となります。これにより、作業効率が向上し、重要な業務に集中できるようになります。
【定型作業を自動化する】
決まった作業の自動化には、デジタルツールやシステムが役立ちます。
ツールを導入する際は、初期の設定や慣れるまでの過程に時間がかかることもあります。しかし導入後は、手作業にかかる時間が大幅に削減され、ほとんどのケースで人の手を超えて速く処理できるでしょう。
また、人が行う作業にはヒューマンエラーがつきものですが、自動化により精度が向上し、ミスや誤りのリスクが減ります。すると、顧客満足や従業員のストレス減少にもつながります。
続いて、効率化に役立つ自動化ツールについて紹介します。
事務作業の効率化に役立つツール
事務作業の効率化を支援するツールは多岐にわたります。企業のニーズや業務の特性に合ったものを選ぶことが重要です。ここでは、様々な事務作業で役立つツールをいくつか紹介します。
【RPAツール】
RPA(Robotic Process Automation)ツールは、ソフトウェアロボットを活用して、人間が行う定型業務や反復業務を自動的に実行する技術です。データの入力、変換、出力など、多様なデータ処理タスクを自動で行うことが可能です。
専門的なプログラミングスキルが不要で、わかりやすい操作で使いやすいRPAツールも多いです。操作のしやすさや、事務作業との相性を製品ごとに比べてみてください。
【タスク・プロジェクト管理ツール】
タスク・プロジェクト管理ツールは、業務の優先順位を設定し、プロジェクト全体の進捗やタスクの割り当てを管理するものです。
タスク漏れの防止や、進行が遅れている作業をチーム内でフォローしやすくなるなどのメリットがあり、仕事を効率的に進められます。
【オンラインストレージ】
オンラインストレージは、クラウド上にデータを保存し、どこからでもアクセス可能なサービスです。ファイルの保存や共有、協力作業の容易にすることで、事務作業を効率化できます。
自社で共有サーバーを準備するよりも、コストや導入の手間がかかりません。
企業向けのオンラインストレージサービスもあり、セキュリティ機能やワークフローの管理が充実しています。サービスごとの機能を比較し、自社に適した使いやすいものを選んでください。
【チャットツール】
リアルタイムでのコミュニケーションを促進し、メンバー間の情報共有やプロジェクトの進捗管理を効果的に行えるのがチャットツールです。
質問したいことをすぐに聞くことができ、やり取りもスピーディーなので、作業効率が向上します。ビデオ通話やタスク管理といった機能のあるツールもあります。
【勤怠管理ツール】
勤怠管理ツールを導入することにより、従業員の出退勤や勤務時間、休暇の管理を自動化し、管理者がリアルタイムでデータを確認できるようになります。これにより、手動での記録作業が減少し、より正確で効率的な勤怠管理が可能です。
勤怠管理ツールは、クラウド型やソフトウェア型などのタイプがあるので、自社に適したものを選択しましょう。
まとめ
事務作業を効率化する方法について解説しました。
効率化のための工夫やツールは数多く存在しますが、まずは実行しやすいものから始めることが重要です。
ただし、ツールを導入するだけでは不十分で、効果を検証し、手段が目的化しないように注意が必要です。
効率化された事務作業は、ミスの減少やコスト削減などの大きなメリットをもたらします。
事務作業に負担を感じている企業の担当者は、これらのポイントを参考にして、効率化に取り組んでみてはいかがでしょうか。