コラム詳細 | ペーパーレス化を実現するツール・システムと導入時の注意点を解説

ペーパレス化に役立つおすすめツール・システム

2024.01.19 コラム

ペーパーレス化を実現するツール・システムと導入時の注意点を解説

従来の紙でのやり取りを、デジタル技術を用いたペーパーレス化に置き換える企業は、今後増えると予想されます。

ペーパーレス化には業務効率化など多くのメリットがあり、文書管理システムや電子契約システムなど、複数のツールが存在します。そのため、ツール選定は非常に重要です。

この記事では、ペーパーレス化を実現するツール・システムと、導入時の注意点について詳しく解説します。

ペーパーレス化とは

企業におけるペーパーレス化は、ビジネスで利用される紙の文書を電子化し、業務効率の向上、コスト削減、環境への配慮を試みることです。

政府もペーパーレス化を推進しており、テレワークの普及や2022年1月施行の「電子帳簿保存法」の要件緩和を背景に、ペーパーレス化を検討する企業は増加しています。

ペーパーレス化の実施に際しては、スキャナーなどを使い紙の書類をPDFなどの電子文書に変換する手続きが必要です。導入後の文書作成は、WordやGoogleドキュメントといったデジタルツールを利用することになります。

電子データの取り扱いは、セキュリティとプライバシーの確保が重要であるため、適切なセキュリティ対策も同時に導入する必要があります。

ペーパーレス化を実現するツール・システム

ペーパーレス化を実現するための、ツールやシステムは数多くあります。
それぞれの特徴を知り、自社に合うサービス選びに役立ててください。

【ビジネスチャットツール】

ビジネスチャットツールは、業務上のコミュニケーション支援を目的として設計された、デジタルコミュニケーションツールのことです。

チャットを通じて、従業員間およびチーム間のリアルタイムなやり取りができ、情報の共有、プロジェクト管理、タスクの割り当て、ファイル共有などがスムーズにおこなえます。

主なサービス

サービス名	特　徴
Chatwork	Chatworkは、国内利用者数No.1のビジネスチャットツールとして知られています。41万社以上の企業が導入しており、従来のメールや電話、会議などのコミュニケーション手段を効率的に置き換えることができます。シンプルな機能を持ちながら、社内外のコミュニケーションを活性化させることができるため、多くの企業で業務改善の一環として利用されています。
Slack	Slack（スラック）は、従来のメールよりも迅速かつ整理された方法でコミュニケーションを実現し、繰り返しの作業を自動化することができます。Slackの中心となるのは「チャンネル」という機能で、これにより必要な人や情報を一元的に集め、整理することができます。
Microsoft Teams	Microsoft Teamsは、Microsoftが提供するコミュニケーションツールです。Office 365の各アプリとの連携が可能で、ビデオ会議、チャット、ファイル共有などの機能を持ちます。特に、チームコミュニケーションに特化しており、複数人でのオンラインでの会話や共同作業をスムーズに行える点が特徴です。

【Web会議ツール】

Web会議ツールは、インターネットを介してリアルタイムでビデオ、音声、テキストベースのコミュニケーションを行うためのツールです。

遠隔地にいる人々とのやり取りに役立つ多くの機能があります。

例えば、画面共有機能を使えば、資料を共有しながらプレゼンテーションが可能です。録画機能を利用すれば、参加できなかった人とも会議内容を共有できます。

リモートワークやオンラインミーティングの増加に伴い、Web会議ツールはビジネスで広く使用されています。

主なサービス

サービス名	特　徴
Zoom	Zoomは、Web会議を実現するクラウドサービスで、複数人での同時参加が可能です。ビジネスシーンでの利用が特に増えており、PC、スマートフォン、タブレットなどのデバイスで利用できます。ビジネスに最適化されているため、多くの企業で利用されています。
Microsoft Teams	Microsoft Teamsは、場所やデバイスにとらわれず、同僚やパートナーとのコミュニケーションをスムーズに行うことができます。ビデオ会議、バーチャルイベント、電話会議など、多様な会議スタイルに対応しており、ハイブリッド作業をサポートします。
Google Meet	Google Meetは、Googleが提供するビデオ通話とビデオ会議サービスで、安全かつ高品質な通話を実現することができます。Googleの強力なセキュリティとプライバシー保護機能を備えており、どのデバイスからでも簡単にアクセスして利用することができます。

【勤怠管理システム】

従業員の出勤、退勤、休暇、残業などの勤務情報を管理し、記録するためのシステムです。

このシステムは、労働法規や会社の方針に従い、正確な労働時間と給与の計算に役立ちます。

特にリモートワークでは、従業員の勤務情報を遠隔からリアルタイムに管理できるメリットがあります。

主なサービス

サービス名	特　徴
ジョブカン　勤怠管理	ジョブカン勤怠管理は、クラウド型の勤怠管理システムとして業界No.1の実績。導入実績は90,000社以上に及び、出勤管理からシフト管理、有休管理、残業管理まで、勤怠管理に必要なすべての機能を備えています。シンプルな操作性を持ち、初めてのユーザーでも簡単に利用できます。
HRMOS勤怠	HRMOS勤怠は、6万社以上が利用する勤怠管理システムです。ブラウザ、ICカード、LINE、Slackなど、多様な打刻方法を提供し、出退勤データのCSV出力も可能。低価格で提供され、基本的な機能は無料で利用できる。さらに、労働基準法に準拠した管理や働き方改革関連法にも対応しています。
KING OF TIME	KING OF TIMEは、オフィス、店舗、テレワーク、緊急時の在宅勤務など、多様な働き方に対応したクラウド勤怠管理システムです。紙のタイムカードやExcelを使用した複雑な勤怠管理を自動集計し、効率的に管理することが可能です。

【オンラインストレージ】

オンラインストレージは、インターネットを介してデータやファイルを保存、管理、共有するためのサービスやプラットフォームのことです。

クラウドストレージとも呼ばれ、データをクラウド上のサーバーにアップロードして保管でき、必要なときにアクセスできます。

メリットは、どのデバイスからでもインターネットを介してデータにアクセスできる点です。リアルタイムのファイル共有で、業務がスムーズに進みます。また、データのバックアップとしても利用可能です。

主なサービス

サービス名	特　徴
Google　　ドライブ	Googleドライブは、Googleが提供するクラウド型のファイル共有プラットフォームです。ユーザーはモバイルデバイス、タブレット、パソコンからファイルやフォルダを簡単かつ安全に保存、共有、共同編集できます。Googleの高度な検索機能やAI技術を活用して、効率的なファイル管理と共同作業をサポートします。
OneDrive	OneDriveは、Microsoftが提供するクラウド型のストレージサービスです。安全性も高く、サイバー攻撃や誤った操作からのファイルの復元も可能です。また、OneDriveは標準で5GBの容量を提供し、Office 365を利用すると1TBまで拡張可能です。さらに、文書や写真の整理、検索も容易に行えます。
BOX	BOXは、企業や組織の内外でのコンテンツ管理を可能にするサービスです。シンプルなファイル共有からカスタムアプリケーションの構築まで、多岐にわたるニーズに対応。高度なセキュリティ制御や脅威検知、情報ガバナンスを備えています。

【電子契約システム】

法的な契約や文書を電子的な形式で作成、署名、管理、および保管するためのシステムです。電子署名は法的に認められており、紙の署名と同じ法的効力があります。

従来の紙の契約書の代わりに、電子契約システムを使用することで、契約プロセスを効率化し、時間とコストを節約できるのです。

具体的には、書類の印刷、郵送、保管の手間が不要になります。契約文書のバージョン管理も簡単ですし、リモートワークにも適しています。

主なサービス

サービス名	特　徴
クラウドサイン	クラウドサインは、導入実績250万社を超える電子契約サービスです。紙や印鑑を必要とせず、オンライン上で契約作業を完結させることができます。契約書や発注書、請求書など、多岐にわたる書類のやりとりに対応しており、保管・管理も一元的に行うことができます。
電子印鑑GMOサイン	電子印鑑GMOサインは、法的に有効なクラウド型の電子契約サービスで、導入企業は300万社を超えます。国内の主要な電子契約サービス提供5社と比較しても、導入企業数や送信件数でトップを誇ります。また、さまざまなサービスと連携でき、業務の効率化が可能です。
マネーフォワードクラウド契約	マネーフォワードクラウド契約は、契約書の作成から申請、承認、締結、保存、管理までの一連の流れをカバーし、契約業務の効率化と内部統制の強化をサポートします。紙の契約書だけでなく、電子契約書も一元管理が可能で、他社の電子契約サービスからのデータ取込もサポートしています。

【文書管理システム】

企業内の文書、ファイル、情報を効率的に管理、保存、検索、および共有するためのシステムです。

文書をデジタル形式で保存し、必要なときにどのデバイスからでもアクセスできるようにします。これにより、物理的なファイルや書類の探し回りが不要になるのです。

スムーズなファイル共有はもちろん、高度な検索機能（キーワード検索やフィルタリング）も備えており、特定の文書を素早く見つけるのに役立ちます。

主なサービス

サービス名	特　徴
TOKIUM電子帳簿保存	TOKIUM電子帳簿保存は、ペーパーレスクラウド文書管理システムとして、あらゆる取引関係書類を電子化し、一元管理することができるサービスです。セキュリティ面でも高い信頼性を持ち、ISMS認証・Pマークを取得しています。
バクラク電子帳簿保存	バクラク電子帳簿保存は、電子帳簿保存法に基づく文書管理システムで、クラウド上での帳簿・伝票の保存をサポートします。簡単な操作でデータのアップロードや閲覧が可能で、セキュリティ面でも高い信頼性を持つシステムです。
SmartRead	SmartReadは、次世代のAI OCR/IDPサービスとして文書のデータ化を効率的に行います。さまざまなタイプの文書を高精度で認識し、情報を抽出します。これにより、文書のデータ化に関連する作業時間やコストを大幅に削減できます。また、文書の自動仕分けや後続システムとの連携など、文書処理の全プロセスを効率化することを目指しています。

【ワークフローシステム】

ワークフローシステムは、企業内の業務プロセスやタスクを効率的に管理し、繰り返しの業務などの自動化が可能です。これにより、人的エラーを削減し、業務効率を向上させます。

ワークフローシステムは多くの業界で採用されており、プロジェクト管理やカスタマーサポートなど、様々な用途に適用されています。

主なサービス

サービス名	特　徴
ジョブカンワークフロー	ジョブカンワークフローは、稟議や各種社内申請に対応したクラウド型のシステムです。操作方法はシンプルで、申請書の作成や承認処理などの管理業務を効率的に行うことができます。さらに、申請や承認にかかる時間を約1/3に削減することができるとされています。
Create!Webフロー	Create!Webフローは、紙の申請・承認・決裁フローを電子化するシステムです。業界や業種を問わず多くの企業で利用されており、製造、サービス、IT、通信、金融、教育、官公庁などの分野での導入実績があります。
Collaboflow	Collaboflow（コラボフロー）は、Webベースのシステムで、簡単な操作と充実したワークフロー機能を提供します。Excelを使用して申請フォームをデザインし、それをそのまま電子化することが可能で、現在の運用を変更することなくワークフローシステムを構築できます。

【ナレッジ共有ツール】

ナレッジ共有ツールとは、企業内で業務のノウハウ、データ、アイデアなどの情報を効果的に共有・保存するものです。

業務に必要な情報や知識を1つの場所にまとめられ、データにアクセスしやすくなります。企業の知識資産を最大限に活用し、効率的な意思決定や問題解決、新しいアイデアの創出に役立ちます。

主なサービス

サービス名	特　徴
NotePM	NotePMは、企業のナレッジやノウハウを一元的に管理するためのサービスです。マニュアル作成、社内ポータル、ノウハウ共有、ドキュメント管理など、多岐にわたるシーンでの利用が可能です。Web上での簡単なマニュアル・ノウハウ作成や、強力な検索機能を持ち、WordやExcelなどのファイルの中身も全文検索ができます。
flouu	flouu（フロー）は、社内の散在する情報や文書を一元的に集約し、業務効率化を実現するクラウド型の情報共有ツールです。ナレッジ共有、業務マニュアル、社内wikiなど、多様なシーンでの利用が可能。さらに、2022年の「ITトレンド年間ランキング」で「ナレッジマネジメント」カテゴリー1位を獲得しています。
Qast	Qast（キャスト）は、組織内に散在する個人の知識や経験を引き出し、ナレッジマネジメントの成功をサポートするクラウド型の情報共有ツールです。社内の情報を一元的に集約し、部署や拠点を超えてナレッジを共有することで、業務の効率化や生産性の向上を実現します。

【経費精算システム】

経費精算システムでは、経費の申請や承認、精算のプロセスを自動化し、効率化できます。

デジタル領収書により、手作業での紙ベースの手続きを減らし、経費の管理・精算をスピーディーかつ正確におこなえるのです。

また、経費精算データは分析にも活用でき、予算管理やコスト削減のための意思決定をサポートします。

主なサービス

サービス名	特　徴
楽楽精算	楽楽精算は、累計導入社数No.1を誇る経費精算システムで、経費・交通費・旅費・請求書処理などの精算業務を効率化できます。電子帳簿保存法への完全対応や会計ソフトとの連携、領収書の自動読み取りなど、経費精算の課題をトータルでサポートします。
TOKIUM経費精算	TOKIUM経費精算は、経理満足度No.1を誇るクラウド型の経費精算システムです。領収書のデータ入力から原本の突合・保管までを電子帳簿保存法に準拠して代行し、経理業務の効率化とペーパーレス化を実現します。さらに、多様な業務フローに対応し、中小企業から大手企業までの幅広い導入実績があります。
マネーフォワードクラウド経費	マネーフォワードクラウド経費は、クラウド型の経費精算システムで、交通費や旅費の計算、請求書や領収書の管理を効率的に行うことができます。スマートフォンを使用して経費の登録、申請、承認が完結し、電子帳簿保存法にも対応しているため、法的な要件もクリアしています。

【労務管理システム】

従業員の出勤や労働時間、シフトスケジュール、給与計算、休暇管理、労働法規制の遵守など、労働関連の業務プロセスを効率的に管理するためのツールです。

労務管理システムにより、人事部門や管理者はより戦略的な労働力計画を立て、組織の運営を改善できます。

主なサービス

サービス名	特　徴
SmartHR	SmartHRは、労務管理クラウドのシェアNo.1を誇るクラウド人事労務システムです。人事・労務業務を効率化し、蓄積された人事データの一元管理ができます。さらに、そのデータを活用して、タレントマネジメントや組織のパフォーマンス向上を促進することが可能です。
freee人事労務	freee人事労務は、中小企業の人事労務管理を効率化するクラウド型のシステムです。勤怠管理、給与計算、年末調整、入退社手続きなどの業務を一つのプラットフォームで行えるため、人事マスタの管理が簡単になります。
ジョブカン労務HR	ジョブカン労務HRは、労務業務の全てを効率的に管理するためのクラウドベースのソリューションです。従業員情報はクラウド上で一元的に管理され、社会保険や労働保険の手続きは帳票作成から提出までサポートされます。

ペーパーレス化ツール・システムを導入する際の注意点

ペーパーレス化の成功には、計画立て～導入後の管理まで、多くの要因が影響します。特に、以下の注意点が重要です。

【運用ルールの策定】

紙の書類を扱う業務とペーパーレス化した業務は、情報の扱いや様々な運用方法が異なります。そのため、デジタル文書やシステムをどのように扱い、運用するかを定めた指針やポリシーである運用ルールを定めましょう。

運用ルールは、デジタル文書の作成・保存やバージョンなどの管理方法を整理し、コンプライアンスを維持し、文書の品質とセキュリティを確保するのに役立ちます。

【セキュリティ対策と社員教育の実施】

ペーパーレス化のリスクの1つが、情報漏えいです。そのため、デジタル文書やデータのセキュリティを確保するために、適切なアクセス制御、データの暗号化、バックアップ戦略を確立しましょう。

そのために、社員教育も必要です。ペーパーレス化システムを使用する全ての従業員に適切なトレーニングを行い、システムの使い方を理解させ、セキュリティ意識を高めましょう。

特に、それぞれの従業員のITリテラシーに差がある場合は、研修を定期的に行うなどがおすすめです。

まとめ

ペーパーレス化を実現するツール・システムを紹介しました。

ペーパーレス化は、企業の業務効率化やミスの防止、生産性向上の一因となり、企業の生存に直結するトピックとなっています。一方で、ツールの導入や運用は段階的に行い、自社の課題や目的に合わせて選定する必要があります。

ツールの導入は投資としての側面も持ち、中長期的な視点での検討が求められるでしょう。導入の際には、目的を明確にし、自社に最適なものを選ぶことが成功の鍵となります。