お気軽にお電話ください

048-812-5551

COLUMN

コラム

領収書の電子化と電子帳簿保存法

2024.05.31 コラム

領収書を電子化する上で知っておくべきこと!電子帳簿保存法への対応を解説

領収書の電子化は、現代のビジネス環境において重要な要素です。

特に「電子帳簿保存法」への対応は、企業や個人事業主にとって避けて通れない課題となっています。

この法律は、電子化された領収書や会計データを適切に保管し、法定期間内の提出を求めるものです。

この記事では、領収書を電子化する際に知っておくべき点や、電子帳簿保存法への対応方法について解説します。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法は、帳簿や会計記録、領収書や請求書といった様々な書類を電子形式で保存・提出することに関する法律です。デジタル形式での帳簿や会計記録の保存が認められ、紙の帳簿と同等の法的効力を有することを規定しています。

この法律は、日本における会計規則の一部です。2022年1月1日施行の改正電子帳簿保存法にて、内容が大きく見直されました。

具体的には、以下のようなことが定められています。

●電子的な形で帳簿や会計記録を保存する際の条件や方法
●保存期間
●保存するデータの様式など

企業や個人事業主は、この法律を遵守しつつ、電子的な帳簿や会計記録を適切に管理することが求められています。

電子帳簿保存法の保存区分

電子帳簿保存法に基づく保存区分は以下の通りです。

【電子帳簿等保存】


企業が内部で電子的な形式で作成した帳簿や会計記録を保存する方法で、原本をデータとして保存します。これには、会計ソフトやデータベースを使用して作成したデータが含まれます。

改正により、電子帳簿等保存を利用できる要件が大きく緩和されました。保存されたデータは、保存期間中は修正や削除ができないように管理されます。


【スキャナ保存】


領収書などの書類をスキャナでデジタル化し、電子的に保存する方法です。スキャンしたデータは、元の紙の帳簿や記録と同等の法的効力を持ちます。

このスキャナ保存に関する要件も、改正によって緩和されました。タイムスタンプや検索の要件が緩くなり、適正事務処理要件が廃止されたことで、運用しやすくなりました。


【電子取引】


取引や支払いをデジタルで行う際に発生するデータを保存する方法です。例えば、電子メールやPDF、電子データ交換(EDI)を介した取引の記録などが含まれます。

電子取引のデータも、電子帳簿保存法の規定に従って保存する必要があり、原則として電子的に保存します。紙で保存する場合は、一定要件を満たす必要があります。

領収書を電子化するメリット

領収書の電子化には、企業にとって次の4つのメリットがあります。

【管理コストの削減】


紙の領収書を管理するには、保管スペースの確保や定期的な整理が必要であり、これにはコストがかかります。一方、電子化された領収書はデータベースやクラウドに保存され、物理的な保管スペースを必要としません。

電子化によって、紙の領収書の印刷、保管、整理、廃棄にかかるコストを削減できます。さらに、文房具や印刷用紙の購入コストも減少し、データのバックアップや管理コストも節約できます。


【経理業務の効率化】


電子化された領収書はデジタルフォーマットで保存されるため、経理担当者は必要な情報に素早くアクセスできます。これにより、手作業によるデータ入力や検索作業の時間が削減され、経理業務全体の処理速度の向上が可能です。

また、自動化された処理や統合が可能になり、人為的なエラーも減らせます。テレワークの実施が容易になることで、領収書作業のために外出先から帰社する必要もありません。

結果として、経理業務の生産性が向上し、経理担当者はより戦略的な業務に集中できるようになります。


【紛失や破損の防止】


紙の領収書は紛失や破損、劣化のリスクが伴いますが、電子化された領収書はそのようなリスクが軽減されます。

電子化により、物理的な保管場所が不要となり、データベースやクラウド上に安全に保管できます。データは定期的にバックアップされ、災害時でも損失を防ぐことができるのです。

セキュリティ対策を整備すれば、不正アクセスや盗難からも保護できる可能性が高まるでしょう。


【検索作業の効率化】


電子化された領収書は、キーワード検索やフィルタリング機能を利用してスピーディーに情報を検索できます。

日付、金額、支払先などの情報を素早く見つけ出すことができるため、必要な情報を見つける時間が大幅に短縮されます。

これにより、経理担当者や管理者は業務に集中し、効率的に作業を進めることができます。

領収書を電子保存する際の要件

領収書を電子保存する際は、以下の要件を満たさなければなりません。

【紙で受け取った場合】


紙で受け取った領収書をデータ化して保存する場合は、スキャナ保存制度の以下の保存要件を全て満たしてください。

●入力期間の制限(最長2か月と7営業日までに入力する
●読み取り解像度は200dpi以上であること
●読み取り時には、約1677万色以上のカラー画像が必要
●タイムスタンプの付与が行われるか、代替機能が一定のシステムに存在すること
●解像度と階調情報、画像の大きさ情報を保存する
●訂正や削除の事実や内容が確認でき、入力者などの情報が明確であること
●スキャン文書と帳簿の関連性が保持されること
●14インチ以上のディスプレイが備え付けられていること
●出力が整然かつ明瞭であること
●検索機能が確保されている


【データで受け取った場合】


メールなどからデータで受け取った領収書は、「真実性」「可視性」の確保からなる電子取引の保存要件を満たしてください。
 

|真実性の確保


真実性の確保は、特定の領収書が正確かどうかを示します。以下のいずれかを満たしましょう。
●領収書にタイムスタンプを付与する
●領収書の受け取り後、迅速にタイムスタンプを付与し、保存者の情報が明確になるようにする
●領収書の記録が修正または削除された場合、その履歴が残るシステムを使用するか、修正や削除ができないシステムで領収書の受け取りと保存をする
●不正な修正や削除を防ぐための手続きを定めた事務処理規程を設定し、その手順に従って運用する

|可視性の確保


可視性の確保は、保存された領収書データがいつでもアクセス可能であることを保証します。以下をすべて満たす必要があります。

●領収書データを閲覧や出力可能な設備を用意する(パソコンやプリンターなど)
●電子帳簿保存法に準拠したシステムを使用する場合、概要書を備えつける
●取引年月日、取引金額、取引先などで検索可能にし、必要に応じてダウンロードできるようにする(小規模事業者の場合、ダウンロード可能にしておくのみでもよい)

電子化した領収書の原本保管について

2022年1月以降、電子帳簿保存法に準じたスキャン保存後は原本破棄が可能となりました。これは、法人・個人事業主共に適用されます。

ただし、スキャナ処理にて入力期間の最長2か月と7営業日を過ぎた場合、備え付けプリンターで出力できない大きいサイズの書類を読み取った場合は、原本の書類も保存しなければならないので気をつけてください。

まとめ

領収書を電子化する上で知っておくべきことについて、電子帳簿保存法への対応をご紹介しました。

紙の領収書を電子化することは任意であり、その際は真実性と可視性を確保する必要があります。ですが、初期コストの投資にもかかわらず、長期的には保管スペースの節約と業務の効率化が見込めます。

自社の状況に合わせ、電子化を進めてみてはいかがでしょうか。

PAGE TOP

お見積もり
無料

オンライン
見積りする