文書電子化サービス10選!メリット・デメリットを解説
「書類を見るために出社しなければならない」
「社内のペーパーレス化がなかなか進まない」
このような課題を抱えている企業は、文書電子化サービスの利用により、スムーズな電子化が期待できます。
請求書や会議の資料など、電子化すると業務効率化につながる書類は多くあります。電子化により、テレワークやリモートワークの導入も進み、従業員が働きやすくなりパフォーマンスが向上するなど、会社と社員の両方にさまざまなメリットがあります。
今回は、電子化を進める際に役立つ文書電子化サービス10選と、メリット・デメリットを解説します。
文書電子化サービスとは
文書電子化サービスは、紙の書類をデジタルデータに変換するサービスです。高度なスキャン技術やデータ処理技術を利用し、文書の電子化を行います。
企業や組織が紙ベースの文書管理からデジタル化へ移行する際に役立ちます。
最近では、テレワークやペーパーレス化の促進において、文書電子化サービスが注目されています。
紙の書類が原因でテレワークができない企業は多く存在します。総務省が実施した「令和4年通信利用動向調査の結果」によれば、テレワークを導入しない理由として「文書の電子化が進んでいない」という項目が挙げられています。
テレワークの導入を促進するためには、文書電子化サービスが大いに役立つでしょう。
おすすめの文書電子化サービス7選
おすすめの文書電子化サービス7つを紹介します。自社に合うサービス選びの参考にしてみてください。
PR【よみとる】
紙をPDFにスキャンしてアップロードすると、コピペできるテキストにしてくれる、文字起こしサービス(AI-OCR)です。
「初期費用・固定費用・1年縛り」といったユーザーへの負担がなく、すぐに始めやすいハイブリッドAI-OCRになります。
お試しもしやすく、1枚100円~単発利用ができます。たくさん使うほど、利用単価が下がるシステムです。
データ化の方法は、人力×AI-OCRによるデータ抽出を
合わせて行うので、文字再現率は100%と高いです。
特徴
・初期費用、月額固定料金なし
・1年縛りなし
・料金は枚数カウントでわかりやすい
・トライアルあり
よみとる
【DX Suite】
市場シェア1位のAI-OCRです。金融、製造、建設、不動産、自治体など、さまざまな業種で2,300社以上の導入実績があります。
どんな帳票も読み取り可能で、帳票の自動仕分けや業界最高水準の機能と読み取り精度により、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進できます。
料金は、3つのプランに分かれています。ライトプランは初期費用が不要ですが、他のプランは20万円の初期費用が必要です。クラウド版、オンプレミス版から選択できます。
料金シミュレーターを使用して費用を計算できるので、チェックしてみてください。
特徴
・2,300社以上が導入
・各種システムとの連携可能
・1ヶ月有料のトライアルプランあり
DX Suite
【AIよみと~る】
ITに詳しい専門家がいなくても使いこなせる、見やすい利用者画面が特徴のAI-OCRです。
公式HPでは操作イメージを伝える動画が公開されており、実際に使用してみた感じがわかりやすくなっています。くせ字などの実際の読み取り例も確認でき、使用感が率直にわかります。他社との比較例も、検討材料になります。
初期費用なしですが、最低利用期間が12ヵ月あるため、1年以上の利用を見込んでいる企業向けです。
特徴
・読み取り精度96.71%
・初期費用なし
・無料デモ体験あり
AIよみと~る
【AIスキャンロボ】
テンプレート作成の代行が特徴のAI-OCRです。AI-OCRを導入しても、テンプレート設定作業に手間取り、結局業務が滞るといった本末転倒の事態を避けられます。
トライアルは月3万円から利用可能です。また、無料読み取りテストも行っています。利用を検討されている場合は、ぜひ試してみてください。
特徴
・テンプレート設定の手間なし
・複雑な段組の帳票も読み取れる
・無料読み取りテストあり
AIスキャンロボ
【eas】
理論値の入力精度は99.98%と、高い精度が特徴のAI-OCRです。AI-OCRとクラウドワーカー人力によるデータ確認と修正を行っています。1,000枚程の書類の場合、平均1時間で納品可能です。
公式サイトには、さまざまな業種での主な活用シーンとその効果がわかりやすく掲載されているので、参考にしてみてください。
特徴
・クラウドワーカーと連携したスピーディーな納品
・料金の詳細は要問合せ
・有料のトライアルプランあり
eas
【AnyForm OCR】
認識精度が99.97%と、精度が高い帳票データ化ソフトです。ノンプログラミングのため、誰でも簡単に帳票設計できる使いやすさも特徴です。
RPA製品と簡単に連携でき、業務効率化に役立ちます。詳細については、公式サイトからダウンロードできる資料をご確認ください。
特徴
・帳票定義の方法が豊富
・3種類の構成プラン
・料金は要問い合わせ
AnyForm OCR
【SmartRead】
99.2%の認識精度をもつ次世代AI-OCRです。業務システム等への連携もスムーズで、DXにも役立ちます。
契約期間は1年となっており、長期間利用を見込んだ企業に適しています。月額3万円相当のプランから始めることができ、1.2万枚前後の処理が可能です。
AI-OCRの選定や活用セミナーも行っており、導入前後の参考になるでしょう。公式サイトでは、自治体や企業などさまざまな業種の導入事例が紹介されているので、ぜひ確認ください。
特徴
・初期費用なし
・料金プランは3つのクラウド版とオンプレミスプラン
・1ヶ月トライアルプランは3万円
SmartRead
文書を電子化する上で理解すべき法律
文書を電子化する際には、次の2つの法律について知っておくことが重要です。これにより、法的な要件を満たし、効率的かつ安全な電子文書の利活用が可能となります。以下、それぞれの法律について説明します。
【e-文書法】
e-文書法は、2005年に施行された電子文書の信頼性や取り扱いの基準を定めた法律です。この法律は、通常紙で保存される必要がある会社法などの対象書類に適用されます。経済産業省によって以下の要件が定められています。
見読性 : 電子化されたデータがデバイスの画面上で正しく閲覧でき、視認できる書面として出力可能である
完全性 : 電子化されたデータに改ざん・消去などがない事実を確認できる
機密性 : 電子化されたデータへのアクセス制限がある
検索性 : 電子化されたデータを検索して閲覧できる
これらの要件のうち、「見読性」はすべての書類で満たす必要があります。一方、他の3つの要件は、書類により異なります。
詳細は、厚生労働省公式サイト「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令]」をご確認ください。
e-文書法とは総称で、次の2つの法律を指すものになります。
・民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律
・民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
【電子帳簿保存法】
電子帳簿保存法は、1998年に施行された企業や組織が国税関連の書類(決算書、損益計算書など)を電子化して適切に保存し、信頼性や証拠能力を確保するための法律です。
この法律では、以下の要件を満たす必要があります。(2021年に改正され、以前よりも要件が緩和されました)
真実性の確保:入力履歴やデータの訂正・削除を確認できる、担当者の電子署名がある、関連帳簿との関係を確認できるなど
可視性の確保:書類をカラーで確認できる、取引年月日など所要項目で検索できる、電子化されたデータをはっきりと出力できるなど
e-文書法との違いは、対象の書類が次のように異なる点です。
e-文書法:民間企業の保存義務がある法定書類
電子帳簿保存法:国税関連の書類
詳細な条件などについては、国税局の公式サイトでご確認ください。
→電子帳簿保存法関係
文書を電子化するメリット
文書の電子化には、次のような3つのメリットがあります。
【紙の印刷・保管コストの削減】
書類に関連するコストには、次のようなものがあります。
・印刷代
・プリンターのメンテナンス費用
・複合機のリース費用
・紙やインクなどの費用
・印刷を外注している場合は外注費用
・ファイリングにかかる費用
・資料室分の家賃
・書類を保管するための棚の購入費用
・シュレッダーや廃棄物処理にかかる費用
電子化により、上記のようなコストを削減できます。これにより、浮いた経費を他の業務や投資などに回せて、会社の業績向上につながる可能性もあります。
【紛失・劣化のリスクの低下】
書類は、現物しかないため、紛失や誤って破棄するなどのミスがあると取り返しのつかない状況になります。さらに、盗難されると情報漏えいなど重大なセキュリティ事故につながる可能性もあります。
また、紙は経年劣化により読めなくなることもあります。破けた、汚したなどのミスも致命的です。さらに、水漏れや火災などの災害によって書類が破損する恐れもあります。
書類を電子化することで、バックアップを取ったりアクセス制限をかけるなどの対策を講じることができ、上記のようなリスクを軽減できます。
【検索性の向上】
電子化により、必要な書類をキーワードやファイル名、作成日時などで検索し、すぐに確認することが可能となり、業務の効率化が図れます。棚から書類を1つずつ見て探す必要がありません。
紙文書は、保管場所がわからない、見落としがあるかもしれないとなると、探す作業にはさらに時間がかかります。
一方、電子化したファイルは、適切なフォルダ構造を構築することで、迅速な検索が可能です。また、インデックス(索引)を作成できる管理システムもあり、電子化によってさまざまな便利機能を活用できます。
文書を電子化するデメリット
電子化した場合のデメリットについても知っておきましょう。
【システム障害のリスクがある】
クラウドやサーバーに保存される電子化した書類は、インターネットの接続やシステムに不具合が生じると、閲覧できなくなる可能性があります。また、停電やパソコンの故障も同様です。
障害のリスクに備えて、適切な対策を検討しておきましょう。
【視認性が低下する恐れがある】
レイアウトや文字サイズ、図表の有無などによっては、紙媒体で閲覧するよりも、パソコンなどの画面上に表示されると内容が見にくくなる場合があります。
これは、画面をスクロールする必要があるのも一因ですが、電子文書を読むことに慣れていないためや、目が疲れるなどの理由から、見にくいと感じることもあるようです。
ただし、慣れることで電子化のメリットを大きく実感できるでしょう。
まとめ
おすすめの文書電子化サービスと、電子化のメリット・デメリットについて解説しました。
文書の電子化には手間と時間がかかりますが、文書電子化サービスを利用すれば業務の効率化が期待できます。
ただし、サービスによって内容や価格が異なるため、注意が必要です。電子化サービスを導入する際は、慎重に選定することが重要です。